- 連れ子が自閉スペクトラム症(ASD)ってことあるの?
- 自閉スペクトラム症(ASD)ってどんな風に困るの?
- 子供が自閉スペクトラム症(ASD)だったらどう対応したら良いの?
自閉スペクトラム症(ASD)という言葉をご存知でしょうか?対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つです。
割合としては100人に一人くらいいるとされ、認知はされていても実際に対応するとなると、その対応の難しさに自身が大きなストレスを抱えてしまうケースも少なくありません。
そして、この自閉スペクトラム症(ASD)の子供が連れ子として入ってくるということもあり得るのです。
実は僕の家庭では、三男が自閉スペクトラム症気味な傾向があり、その対応に非常に悩まされました。しかし、結果として、自分の人間的成長にも繋がったと思っています。
今回はステップファミリーとして自閉スペクトラム症(ASD)の子供が一緒になったらどうなるのか?についてお伝えしていきます。
ステップファミリーを知らない方はステップファミリーとは?をお読みください。
自閉スペクトラム症(ASD)とは何か?
自閉スペクトラム症(ASD)とは?
自閉スペクトラム症(ASD)は簡単に言うと、他人とコミュニケーションをとることが難しいとされる脳機能障害のことです。
重症度は様々ですが、言葉の遅れ、反響言語(オウム返し)、会話が成り立たない、格式張った字義通りの言語など、言語やコミュニケーションの障害が認められることが多くなっています。
ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について – e-ヘルスネット
乳児期早期から、視線を合わせることや身振りをまねすることなど、他者と関心を共有することができず、社会性の低下もみられます。学童期以降も友だちができにくかったり、友だちがいても関わりがしばしば一方的だったりと、感情を共有することが苦手で、対人的相互関係を築くのが難しくなります。
また、一つの興味・事柄に関心が限定され、こだわりが強く、感覚過敏あるいは鈍麻など感覚の問題も認められることも特徴的です。
昔は自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などと言われていましたが、自閉スペクトラム症(ASD;Autism Spectrum Disorderの略)とまとめて表現されるようになりました。
まったく会話にならないケースや、ある程度会話はできるけど理解できないことが多々ある…など個人差ももちろんあります。
うちの三男は会話できるのに、理解できない行動や、こだわりが多々あり、興奮するとまったく声が届かなくなってしまう!ことが課題でした。
自閉スペクトラム症(ASD)の子とステップファミリーはどう関係があるのか?
ステップファミリーでは連れ子がいます。その中で、発達障害と称される子供と一緒になることも珍しくありません。
だんよめファミリーでは、次男が軽度知的障害とADHD傾向、三男が自閉スペクトラム症(ASD)の傾向がありました。
困ったのはこの状態が最初に分からなかったので、かなりビックリしたこと!
妻(旦那ちゃん)は見慣れているかもしれないけど、僕にとってはかなり衝撃が走りました!
- 子供がこの状態だって結婚して生活し始めてから分かった
- 一緒に暮らす連れ子たちが発達障害と受け入れるのに時間がかかった
- どのように対応するか、親としてはどう考えなきゃいけないか悩んだ
怒ることってあるの?って言われるくらいの僕ですが、マジで三男にはしばらく怒ってばかりいました…。
ステップファミリー(子連れ再婚)で自閉スペクトラム症(ASD)の子供に悩んだこと
自閉スペクトラム症(ASD)の子供と接して、僕自身が体験し実際に困ったことの中でも、かなり衝撃的だったことの例をお伝えします。
欲求を満たすか、力尽きるまで行動を延々と繰り返す
三男はこだわりが強く、「◯◯をしたい」と延々と繰り返すことが度々ありました。
普段なら「しょうがないな」ってなる時もあるんですが、どうしてもできない時、やりたくない時だってあります。そんな時、しばらく放って置いたらどこまで泣くのか?を試したことがあります。
公園で遊びたい。
と、寝静まった頃に言われたことがあり、「明日行こうね」と諭すものの、泣き出しました。さすがに真夜中に公園行って遊びに行くのはできなかったので、仕方なく放置したのですが、1時間くらい泣き止まず、ずっと「公園行きたい」を連呼していました。
この時はエネルギーが切れて寝たから止まったんですが、もし、寝なかったらずっとやったんじゃないかって思います。
自分には理解できない行動
「お父さん、お母さんどっちでも良いから一緒に階段を上がって欲しい」とお願いされたことがあります。
だんよめ宅は寝室は二階で、三男は自分で「寝る」と言ったタイミングじゃないと寝ません。なので、三男を置いて先に寝ることに…。
しかし、寝静まった頃、三男が突然階段を上がってきて、
階段あがりたい。
と言ってきました。
「もうすでに階段上がってるやん!」となぜ起こしたのかが理解できず、しばらく放っておいたら、「階段あがりたい」を泣きながら、延々と言い続ける状態が発生!
なんだか分からないので、起きて話を聞くと、手を引かれ、一階にわざわざ降りて、階段の電気を点けるところからやり直し、寝室に入って寝る。
三男はすぐにスヤスヤ寝たんですが、僕はしばらく寝付けませんでした…。
ここでやっと「こだわりが満たせないと生活できない子なんだ」って始めて理解できました。
決まったルーティンができないと癇癪を起こす
決まった手順を踏まないとパニックを起こすということが分かっています。
学校に行くとなった時、決まった時間に決まった手順でマスクを付けて、お母さん(たまにお父さんでも良い)と一緒に歩いていくということが彼の中で決まっています。
これができないと、なぜか半べそかきながら、家の中をずーっとウロウロ・グルグルしてしまいます。
あまりにもひどい場合はパニックになり、泣きわめいたりします。
「彼の中で」というのが難しくて、その手順が分からないからこそ、探り探りって感じですね…。
教えても聞いていない
教えたことは基本的に聞いているようで聞いていないです。
家で教えたこと、学校で教わったことなど、いろいろ教えてもらうことはあると思います。
そんな時、三男は元気よく
うん!分かった!
と返事をしますが、実は全然聞いていない。
その場で確認をすると、
え?なんだっけ?何するの?
と戸惑うことが多く、言葉を理解して「分かった!」とは言わないんだなって思うことが非常に多いです。
子供あるあるだよね〜って思うかもしれませんが、その頻度が他の子よりも多いなって感じるので、自閉スペクトラム症としての課題かなって思うのです。
ステップファミリー(子連れ再婚)で自閉スペクトラム症(ASD)の子供と一緒になったら行いたい解決法
では、自閉スペクトラム症(ASD)の子がいたらどうするのか?
子供だけでなく、自分自身がどう捉えるか?もポイントになります。
怒りの原因は自分にある
怒りの原因を子供ではなく、自分自身の課題として捉えるようにしました。
結局、怒っている感情がどこから湧いてくるのか?というと、自分なんですよね。自分から湧いているということは、この怒りは自分次第で制御できる力だと考えました。
僕の場合、「うまくいかないな」って思うことばかりでした。でも、それは「子供もそうなのかもしれない」、「本人的にはうまくいっているのかもしれない」と考え、「もっとよく相手を知ろう」って観察することにしました。
結果的に泣きわめいたりしてしまう時も、冷静に物事を考えたり、このうまくいっていない時も後々、必ず役に立つと思って対処できました。
理解ができないものがあっても良いと許す
自分が理解できないものがあっても良いと許しました。
とにかく自分には理解ができない行動が多かったなって思います。喜ぶこと、泣くこと、怒ること…、それらのほとんどが僕と真逆だったので、ほんっとうに意味が分からなかった。
だけど、それでも生きているんですよね。
「理解できないものがあったって、別に良いじゃないか。僕だって理解されない時はいっぱいあった。全部理解しよう!って思うからイライラするんだ。」
そう思って、許すっていう表現が合っているかわからないけど、そうやって関係性を作り直したら、三男とのやり取りが前よりもずっとうまくいくようになりました。
ルーティンにはルーティンで返す
ルーティンには理解できるまでこちらもルーティンで返すようにしました。
さきほど、課題ではルーティンを放っておくと延々とやり続けてしまうと言いましたが、こちらが無反応でいると、だんだん声も荒ぶってきて、感情も高ぶって、最終的に泣き出したりしていました。
だから、「また繰り返しているな」って思った時、ルーティンにはルーティンで対抗して、声を荒げることなく、こちらも延々と「こういう理由でできないよ」と伝え続けるのが有効です。
この時、5〜10分くらい続けていくと理解したのか毎回しっかりと止まってくれました。
脳に言葉として理解できる形で届くまでに時間差があるらしく、こちらも理解できるまで続けるのは効果あるんだと実感しました。
やるかやらないかを最初に聞いて本人に決めさせる
最初にやるかやらないかを本人に決めさせることを徹底しました。
三男の傾向として分かったのは嘘は通用しないということ。
大人はよくやっちゃうと思うのですが、その場を収めるために最初適当にはぐらかして、あとから理由付けて結局やらないという嘘を付くことってありますよね。
でも、三男はそういう内容をしっかり覚えていて、「あれってどうなった?」「まだやらないの?」とか確認してきます。つまり嘘が通用しないのです。
だから、最初に「◯◯という理由でこうするんだけど、キミはどうする?」ってはぐらかさず、真っ直ぐに正直に伝え、本人にどうするか決めさせることを徹底しました。
で、その結果困っても本人の選択として困らせます。まぁ、そうでもしないと「これじゃ駄目なんだな」って本人がわからないので、納得しないからです。
そのおかげで、三男から「あれってどうなった?」って聞かれることはなくなりましたし、パニックにもなる回数は減ったし、自分で選択していく力は付いたかなと思います。
まぁ、その評価軸がまだ自分が良いか悪いかしかないのが課題ですが…後々改善できるように一緒に頑張ろうかな。
ステップファミリー(子連れ再婚)で自閉スペクトラム症(ASD)の子供と一緒になったらのまとめ
それではまとめです。
- イライラを感じているのは自分だと自覚する
- 「相手を理解したい」と思って行動を観察する
- 理解できないことをしても許す
- 行動を繰り返した時はできない理由や、次にしたほうが良い行動をこちらも繰り返し伝える
- 何かやる前に相手にどうするか判断を委ねる
- 適当な嘘は付かず、正直に伝える
接していて分かるのですが、三男も悪気があってやっているわけではありません。
パニックを起こす時も「どうしてできないの!?」とか、自分ではうまくできると思っているのにうまくいかないといった場合がほとんどです。
相手を思って、一緒に解決する姿勢を持てばきっと大丈夫。ゆっくり時間かけて理解していきましょう。その時間は十分にあるんですから。
もし、発達障害との付き合い方に興味が出てきたらこの本がオススメです。
それでは素敵なファミリーライフを〜!
他にもステップファミリーの用語に関してや、もっと具体的な悩みや、うまくいくためのコツなどをまとめているので、ぜひご覧ください。