「子供に家庭学習、何をさせたら良いだろう?」
そんな風に悩んでいる親も多いと思います。
僕らも親ですから、少しくらい家庭学習について悩みます…。
でも、基本好きなようにさせています。
「今日は何をやろうかな?」と自問自答させているからです。
その結果、どういう事になったのか?
そして家庭学習って何なのか?
家庭学習はどうしたらできるのか?
この記事は何かさせなくちゃという方針も良いけど、何もせず信じて見守るという方針もありじゃないかなと思った理由を説明していきます。
家庭学習とは
小学校6年生・中学校3年生を対象にした全国学力・学習状況調査の過去の結果から、学力と学習・生活環境は大いに関連性があり、「学力は家庭学習で向上する」ということがわかってきました。小学校の学習は、将来児童が社会人として自立するための基礎となる大切なものです。
学校で児童の学力向上に取り組んでいくと同時に、学校と家庭が連携することで、学習内容がより確かに定着し、学力が伸びていくと考えます。
出典:家庭学習の手引き ~自ら進んで学ぶ子どもを育てるために~
家庭学習をさせると全国学力調査の点数が高くなる…という意味合いが強いようですね。
全国学力調査は子供の学力が身についているのか?そして、今の教育がどの程度成果を上げたのか?を測る大事な指標の一つ。
ただ、全国学力調査自身はただのテストで勉強以外の力を測るには不向き。
点数が高いからと言って、将来安心だ!!という風にはあんまり繋がっている印象を持ちません。
勉強はしたくなるから身につく
僕は勉強はしたくなるから身につくと思っています。
なぜか電車の音だけで電車の種類を聞き分けられる子供がいるとテレビで特集されているのを見たことあるんですが、それが学びじゃないのか?というと、僕は大きな学びの一つだと考えています。
もちろん、学校の勉強にはほとんど役に立たないかもしれない。でも、そういう興味が大きな知識に変わると思うのです。
例えば「セブンイレブンや、サンクスのロゴを何も見ないで正確に思い出せ」と突然言われたら、なんかボヤッと思い出せるけど、ハッキリくっきりと思い出せない人が大半だと思います。
あれだけコンビニは一般的に見る機会が多いのに、興味のない分野はどれだけ見聞きしてもそのくらい焦点がボヤけて記録されているということでもあるのかなと思ったりするのです。
僕の子供たちも長男はゲームのこと、次男は車のことがやたら詳しいです。
「車で◯人乗り以上の大きい車教えて〜」って言うと次男がすぐ答えてくれます。まるでGoogle HOME(笑)。
でも、俗に言う机に向かってドリルをして、プリントして…などの家庭学習はほとんどやっていません。
「これを一概に勉強していない!」と捉えるのはどうかな…と感じています。
親は何に家庭学習が辛いと感じるのか
ゲームばっかりして勉強しない!!と言っている親は非常に多いですね。
つまり、親が子供の姿勢や、態度に対して悩んでいる…。
※というか、子供は悩んでいないことがほとんどですね
では一体、どんな点で悩むのか?
子供が勉強しない(と感じている)
子どもがゲームばかりします。
小6ですが、学校の宿題をしません。教科書を学校に置いて帰ります。どうしたら、ゲームをやめますか?
出典:Yahoo知恵袋 – 子どもがゲームばかりします。
ゲームをやっていると勉強が疎かになる!と感じている親は非常に多いです。
特に宿題をしないということにイライラしてしまうようですね。
宿題をしなかったらしないで学校の先生から「宿題をさせてあげてください」とか「家でも声かけてください」と言われるので、親がゲンナリする気持ち…分かります。
それが日常茶飯事になってくると「ウチの子、将来心配なのよね〜」と奥様会議の審議にかけられるのはどこの日本でもある光景でしょうか。
こうなって欲しいという親の期待とは変わってしまう
子供の件で。
将来、子供にお医者さんになってもらいたいと考えています。 現在4歳の女の子です。 来年の4月に小学校入学予定です。
小学校入学したら、近くの塾に行かせようと思っています。(公文か、学研) 小学校は、私立ではなく 公立の小学校に入学予定です。我が家は、普通のサラリーマンなので、私立は難しいです。 今から、どのような事をしてあげれば良いでしょうか?
出典:yahoo知恵袋 – 子供の件で。
親が子供の将来を決めて動いている家庭もあります。
この筋書き通りに行かなかった場合、親の意図と外れていくのでイライラすることが増えるでしょうね…。
才能や、好きなことをよく観察して将来を決めて動けるのであれば、子供はどんどん伸びていくでしょうね。
ただ、それが親のエゴになったり、嫌いなものでもとことん強制してやらせた場合…、うまく行く確率は下がるかもしれません。
家庭学習をある程度放置にしている理由
そんな家庭学習の辛さを踏まえた上で僕らはほぼ放置にしています。
その理由は大体、次の5つかな。
自分の好きなことや、長所を自らが見つけ出し、伸ばすこと
子供の好きなことや、「あれやりたい」という声をまず実現させてあげることが大事かなと思っていて、そこをサポートしています。
例えばクリスマスプレゼントを渡す時は長男、次男(小学生チーム)は欲しいものをハガキでサンタさんに出したり、文字が書けない三男と長女(乳幼児チーム)はいつも興味を持っているものや、興味を持ちそうなものをサンタさんにお願いしています。
三男はブロックが大好きなので、こういう実際に見て触って遊ぶこともあれば、マインクラフトでブロックを積み上げて作品を作成したり、お兄ちゃんとゲームをしてコミュニケーションをしています。
ちょっとアスペルガーっぽい三男ですが、こういう時はしっかりコミュニケーションが取れるので感心してみています。
なぜ勉強するのか?のそもそもの定義が違う
勉強しないんです!という親御さんにまず聞きたいのが「子供がなぜ勉強すべきですか?」ということ。
これは家庭や、子供によって大きく答えが違うので、何が正解かというのはつかみにくいのですが、以下の4つは非常に気をつけたい言葉です。
- 勉強をすると賢くなるから
- 子供は勉強すべきだと決まっている
- 学歴があると就職に有利だから
- 自分が勉強をしてこなくて、失敗したと思ったから
これは親のエゴに近いと思っていて、勉強したら賢くなる!という明確な裏付けがないんです。
※加えて賢いってなんですか?ってことも明確になってない家庭は多いと思います。
「親の主観で勉強させるべき」と決めると子供が辛くなったり、学ぶことが嫌いになるかな〜と思っています。
なので、僕たちは子供は好きなことを見つけたり、たくさんの挫折を経験することが勉強だと思っています。
結局、好きなことしかやる気にならないし身につかない
僕は好きなことを学ぶ時と、嫌いなこと・興味がないことを学ぶ時には脳の入り方がまったく違うと感じています。
僕も昔、必要な時は一生懸命勉強したし、それは今でも身についています。ただ、親からやれやれって言われた勉強(例えば全然興味がなかった塾)は全然身についていません。
脳の記憶に大きく作用するのは興味・感心なのかなと実体験として感じるのです。
子供は色んなことを見て勝手に学習している
長男はコロナウイルスの影響で長い休みになった時、「パソコンが欲しい」というので、まぁ、ちょっと性能が悪いけど使うには悪くないというパソコンを与えたんですね。
何をするかと思ったらパソコンでゲームをし始めました!
普通だったら止めるところかもしれませんが、ウチでは止めません。
すると…
- 「お父さん、パソコンもうちょっと早くなる方法ある?」
- 「intelってどういう意味?」
- 「性能の良い悪いってどこで判断しているの?」
って質問が出てきたりして、それには丁寧に答えました。
自分で勝手に学習してYoutubeを見てデフラグして高速化を図ったようで、成長を感じずにはいられませんでした。
こんな風に知りたい!ってなったら子供は勝手に探して見て学ぶもんだと思うのです。
家庭学習で大事な親の心構え
家庭学習ですごく大事なのは子供よりも親の心構えだと思います。
では、子供が自ら学習するためにはどのような心構えを持てばいいのか?
子供よりも親が見本になる
子供をどうにかしようというよりも親が背中を見せちゃいましょう。
夢を持て!というよりも、親が意欲的に夢に挑戦したり、何かに打ち込んだりする姿を見せたり一緒にやることは子供にとって良い影響を与えます。
僕はたくさんの人を集めて、プレゼン大会をやったことがあります。
その時の様子を子供も若干ながら見ていたりしたので
「お子さんが「プレゼン知ってる!お父さんがやってたことだよ!」と嬉しそうに話してプレゼン(発表)の練習していましたよ」と先生にも言われたことがあります。
他人を変えるのは難しいですが、自分が変われば相手が変わるのは子供にも通用するかなと。
信じて側にいる
これは大事だけど難しいことです。
何をしていようと、どうなろうと、子供を信じて側にいるという姿勢です。ただ、これはめちゃくちゃ難しくて言葉でこんなに簡単に書くレベルのことではないです。
でも、やっていることはこれしか形容ができないので、この言葉になります。
「子供が今、やっていることは子供自身のためになっている!」と応援者になるという気持ち。
そのためには子供自身がなりたいという像を一緒に探し、褒めたり、叱ったり、悩んだり、喜んだりします。
答えを教えるよりも質問する
大人だとどうしても経験が豊富なので、答えをすぐ教えてしまいがちになります。
でも、そういう風に答えをどんどん出してしまうと知識は増えるけど、『体験』は増えない。
- 「どうしたらできると思う?」
- 「どうしてそういう考えになったと思う?」
- 「なぜ?」を5回繰り返す
こんな質問をします。もちろん子供は悩みますが、答えがでなくてもOK(ここ大事!)です。
答えを急かすと今度は悩んでくれなくなります。
悩んだら正解と思うと良いでしょう。
どんな質問をすれば良いかは迷いますが、魔法のしつもんって本にはかなり詳しく書いてあります。
参考になるので、試してみてください。
答えを教えるのは具体例も用いて分かりやすく伝える
答えを教えるのは明確な意図(こうしたい)と言った場合に参考となるように教えています。
例えば長男はもっとサクサクゲームがプレイしたいと思ったらしく、パソコンの処理速度に興味を持ち始めた時はこういうやり取りしました。
「CPUって何?」
「CPUっていうのは人間でいうと脳みそだね〜。」
「マジか」
「型番に5500って書いてあったけど、大きいほうが良いの?」
「そこじゃなくて、2.4Ghzって書いてあるのが頭の良さだね。他にも脳の中にたくさんの処理する場所があるのがcorei3とかcorei7とかだよ」
「マジか」
この辺りの仕組みはあんまり変わらない基礎知識なんで、そこは教えるようにしています。
その上で、「次はパソコン高速化って検索したり、Youtubeで見ると良いよ」と教えて、実際にそれを子供は実践しています。
親のこうなって欲しいという意図を撤廃する
僕らの考えとして、子供が「なんとなくこうなるかもな〜。」くらいはあるんですが、「こうしなさい!」というのはほとんどありません。
こうなりたいを考えたり、こうなりたくないと考えるべきなのは子供自身であり、そこに親のこうなって欲しいが混ざると子供は段々とそちらに誘導されて、本来の自分から遠ざかってしまうのです。
僕も高校生の頃など、親から「普通の安定した職に就いて欲しい」という願いを叶えようと思ってサラリーマンを目指したりしました。
その頃、声を出すことが楽しかったのですが、声優などは安定した職ではなかったので、親にはかなり反対されました。
やはり一番の味方であった親に反対されるのは辛かったので、「どうしたらできると思う?」と聞いてくれたら嬉しいなと思います。
命の危険があったり、自分自身がされて嫌だと思うことは叱る
親としてはいろんな場面で叱ったりしたくなるのですが、僕らはここぞという場面でしか思いっきり叱りません。(ちなみに滅多に叱らないほうがイザという時に効きます )
大体はこの2つに分類されます。
命の危険
道路に飛び出すと危ない、この先に言ったら危ないという場合は声を大にして言ったり、叱ったりします。
そうして本当に危ないところだったんだと認識を与えていきます。
何回も繰り返していくことでこれは危ないことなんだって思わせていくのが大事ですね。
自分自身がされたら嫌なこと
あとは子供が自分自身でされたらものすごく嫌だろうなということは叱ります。
我が家の三男はワガママで、周りをよく困らせます。
自分が大事なのは良いですが、周りに迷惑がかかると調和が取れません。
三男は全部自分のものという意識が強いので、長女が遊んでいるものを「それは僕の!」と強奪し、泣かすということがしょっちゅうあります。
なので、叱る時はドスが効いて、すごく大きな声で怒った表情で
「コラ!横取りしたから泣いているじゃないか!なんで泣いている分かるか?」
大体はその理由は分からないので、対処法を教えます。
「遊んでいるものを取り上げられたら自分だって嫌だろ?それは僕のだから返してくれる?って聞けば良いんだよ」
これを繰り返すことが大事。やはり人間は一回では覚えません。
この叱るタイミングは逆にチャンス。ここは放置せず出番だと思って分からせましょう。
ここで放置するとタイミングがズレて理解ができないので、あんまり話を聞かず、子供自身がピンと来ないのでお互いストレスです。
「さっきのことだけど」となるくらいならやめましょう。
この家庭学習スタイルが合わない環境
ただ、全員がこの家庭学習に合うかと言われたら難しいと思います。
この家庭学習スタイルにするには環境や、夫婦の子育てに関する考え方や、価値観も重要になってくるからです。
その中でも特に重要なのが次の5つです。
一人では興味が湧かない子
まず、一人では興味が湧かないような子供には向いていません。
次男は一人ではやる気が起きず、「ヒマだ~」と言って何となくゲームをするという日常になっています。
友達や、大人が介入すると途端にどんなことでも興味を持って楽しそうに取り組むのですが、一人では全然やる気が起きない様子。脳死プレイしまくっているのは多少勿体ないかな〜と感じます。
このような子は多少、手をかけてあげないと何となく時間を過ごしてしまう傾向が強いかなと思います。 どっか行くか!っていうと喜ぶので、行き先を一緒に決めたりしましょう。
夫婦で教育に対する考え方が分かれてしまっている
ここは夫婦間の問題です。教育に対しての考え方や、価値観が分かれてしまっていると難しいです。
子育ては片親がするものではなく、夫婦で共に行うもの。
当然、教育も関わってきます。その時に価値観がまったく逆だとそもそも噛み合わなかったり、夫婦仲が悪くなっていきます。
その場合は、どのような子育てをしたいか?どんな子に育てたいか?などを夫婦間で話し合ってみましょう。
広く万遍なく出来る子になって欲しいと考えている
広く万遍なく、何でも出来る子にしたい!という場合、この家庭学習は向きません。
例えば他の家庭から比べたら僕らの家庭は非常にルーズで、休日は着替えもしないなんて状態。
食べる時間もバラバラだったりします。なので、小学生チームはお腹が空いたら食べる。一応、声はかけるので全員集合する時はありますけどね。
そのため、靴は揃えましょうとか、細かなルールみたいなものは本当に捨てている感じです。あるのは寝る時間は大体21時半で寝ましょう…くらいですかね。
起きたい時に起き、食べたい時に食べ、寝たい時に寝るみたいなカッコよく言えば自然と共にある生活ですが、悪く言えばルーズです。
なので、細かな社会的なルールは強制的というよりは自然に身につくのを待つ感じです。(それでもできるようになるから周りの社会や、人間に助けられていると感謝しています)
すぐ答えを知りたがり、答えを聞かないと何もしない子
「これはどうしたら良いの?」と答えをすぐ聞いてきて、自分では何も考えないし、やらないという子は向いていません。
ここは自分の気持ちに素直になるということが重点が置かれた家庭学習なので、明確な道筋や、ルールはほとんどありません。
やりたい時にやりたいことをやっていいというスタイルです。
全部指示しないと動けないという子はこのスタイルはほとんど合わないかなぁと感じます。
ただ、これも慣れだと思うので、自分の気持ちを素直に出す練習を繰り返せばできるようになっていく子もいるかもしれませんねぇ。
0〜3歳のような親の助けなしには生きられない年齢
0~3歳のような親の助けなしでは生きられない乳幼児は向いていません。この年代は放置するよりも愛情を与えたほうが良いです。
子供のほうから「お母さん」、「お父さん」とずっと言われてます。
その声をずっと無視したりすると「愛されてない」と感じて子供自身がものすごい暴力的になったりしていきます。
また、0〜3歳は如何に言葉を入れるかが大事だと思っていて、これが少ないと言葉を喋るのが遅くなると思います。
僕が三男と出会ったのは2歳頃でしたが、ほとんど言葉を喋れませんでした。長女は同じ年齢くらいになりましたが、ペチャクチャ喋りまくっています。
この差は子供に対してどのくらい言葉を入れたか?によると思います。
この辺りは論文でも発表されているんで、聴こえというのは本当に大事なんだと感じますね。
子供が言葉を獲得するために「聴こえ」が大切であることはいうまでもない。
新生児は外部の音や人の声に反応する。泣いているときに声をかけると静かになる。
現在,出生 1 週間以内に聴性脳幹反応(ABR)やスクリーニング用耳音響放射(OAE)などの聴覚検査が実施されている。
これにより出生1000人に 1~2 人の難聴児が発見されている。そして生後 6 か月以内に療育を開始した聴覚障害児はより良い言語発達を得ると報告されている
出典: 日本小児耳鼻咽喉科学会 教育セミナー 2 – 子供の言葉の発達とメディア
喋るのが遅くなると意思疎通を取るのが難しいので、結局、子育てが大変になります。
乳幼児はできる限り手をかけてあげたほうが最終的に親は楽になるかな~と思います。
家庭学習は子供がどういう大人に育ってもらいたいか?をサポートするもの
僕は家庭学習が非常に大事だと思う反面、何でもかんでも親が用意して、道順を作るばかりが正解ではないなと思います。
むしろ、真に子供のためを思っているなら一般的な家庭学習をしないほうが良い。
僕らの家庭学習のポイントは親がどういう子に育てたいか?そのためにどんな見守り(支え)ができるか?という点かなと。
敢えて手を出さないのも子供の学びにおいてすごく大事な視点の一つだと思います。