皆さんは結核という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
「えー、昔の人が感染する病気じゃないの?」って思うものですが、実は若い人の中でも身近になっている現代病の一つらしいのです。
今回、我がシェアハウスに泊まりに来たお客さんの一人が泊まっている途中で体調を崩し、病院で搬送されたところ、なんと結核に感染していたことが判明!
健康には結構、気を遣っている僕ですが、さすがに伝染る病気の回避は難しい…。
その後、保健所から「検査受けるか受けないか判断していますので、お待ちくださーい」ってなり、結局、結核検査を受けることになりました。
今回はそんな珍しい結核の検査についてまとめてみたので、興味のある方はぜひご覧ください。
結核とは
主な症状
結核は、結核菌に感染することで主に肺に炎症が起こる病気です。
エジプトのミイラから典型的な結核の痕跡が見つかるなど、結核は人類の歴史とともにある古い病気である。日本では、明治以降の産業革命による人口 集中に伴い、結核は国内に蔓延し、「結核は国民病」と呼ばれた。昭和26 年に「結核予防法」が制定されて以来50 年経過したこの数年は、結核の死亡率順位はつねに20 位以下であり、なかば忘れ去られようとしている。しかし、大都市の一部の結核罹患率は依然群を抜いており、集団感染事例もあとをたたない。また、開発途上 国では依然として公衆衛生上の大問題であり、交通手段の高速化、大量化、効率化によって感染者の移動も容易なことから、問題は途上国に留まらないことが指 摘されている。一方、エイズの世界的蔓延によってHIV 感染者が増加するなかで、結核との重感染者の重症化が心配されている。こうしたことから、結核は「再興感染症」として再び注目すべき疾患となっている。
結核とは – NID国立感染症研究所
咳・微熱・身体のだるさなどの風邪っぽい症状が2週間以上続いたら結核の疑いがあります。
厚生労働省より
日本の結核の現状
僕もこの話が出るまでは「結核って昔の病気でしょ?」って思っていましたが、実は結核は今でも年間1万人以上が発症し、20世紀に入ってからずっとパンデミックが続いている病気なのです。
2022年 結核登録者情報調査年報集計結果について – 厚生労働省
まさかずっとパンデミック状態とか知らなかったヨ!
結核の感染経路
結核は空気感染・飛沫感染が主です。手を握ったり、同じ食器を使うなどでは感染することはないとのこと。
結核も呼吸器感染症も、予防対策の基本は「手洗い」や「マスクの着用を含む咳エチケット」、そして日常的な健康管理です。感染を拡げないために、咳やくしゃみをするときにはマスク、ティッシュ、ハンカチ、袖などで鼻と口を覆いましょう。
★結核の場合
厚生労働省より
免疫力が下がる病気にかかっている人、高齢者や乳幼児は発病しやすいので注意が必要です。早期に発見できれば重症化を防げるだけではなく、家族や友人などへの感染拡大を防ぐことができます。有症状時の早期受診や定期的な健康診断(胸部エックス線検査など)が重要です。
ただ、換気が悪いところは菌が長く滞留するので、感染源になる人がいなくても、感染してしまうことがあります。
ちなみに結核菌は紫外線に弱いので、日光にあたると数時間で死滅します。だんよめ宅では家族が集まる部屋に紫外線を発する機械が置いてあり、これで安全が保たれていました。
本当はコロナ対策で入れたのにね。
まさかこんなところで役立つとは。
結核発症の原因になったのは?
結核は感染しただけでは無症状ですが、何か外的な要因があると発病し、風邪っぽい症状がずっと続くみたいです。
今回、どうしてシェアハウスに泊まりに来た人が発病したのか?というと、「転んだ際に足が膿んでしまい、何らかの感染経路から菌を保有し、そこに結核菌が溜まったのだろう」ということでした。
シェアハウスに来た時は無症状で、「足が痛い」という程度でしたが、足の痛みがピークに達した際、結核が発病したようです。
それからは毎日38〜40℃の熱が出ていたようで、非常にヤバい病気ですね。
無症状でまったく気づかないのが怖いね。
結核検査の方法
結核の検査は実際に受けるまでに半年くらいの時間がかかりました。受けるようになるまでにもアレコレあったので、その両方を書いておきます。
結核検査を受けるまで
結核の人と一緒にいた!じゃあ、すぐに検査だ!!という風になりませんでした。
たぶん、国のお金で検査費用を負担するからカンタンには出せないし、疑いがある人全員を対象にしてしまうと数が膨大になっちゃうからかなと。
なので、実際に検査するまでは半年くらいの期間を要しました。その間は「どんな風に過ごしていましたか?」、「接触したと思われる人は何人ですか?」という風に電話で質問されることが多かったです。
たしか4〜5回は電話で質問されたかな。
検査時
実際に検査する時は小学一年生以下とそれ以上のグループに分けられて、別々の病院で検査をすることに。
もしかしたら担当の医療機関が別々なのかもしれないですね。
全員やることは血液検査。単純に血を採って1週間後に検査結果が出ます。
これで家族一人でも陽性反応だった場合、全員しばらくしてから再検査、治療しても再検査というループに入っていきます。
だんよめファミリーでは全員、陰性反応だったので良かった!
健康で何より。
結核って治療できるの?
昔は結核は治療できないというイメージでしたが、今はちゃんと薬を飲めば治る病気になっています。
ただし、服薬期間である6〜9ヶ月の間で、症状がなくなったからといって途中で止めてしまうと、菌が抵抗力をつけ、薬が効かない結核菌に変わってしまう可能性があるようです。
そうならないために入院中・退院後も医療機関と保健所が協力して服薬を見守ります。これを日本版DOTS(ドッツ・直接服薬確認療法)といいます。
「結核患者に対するDOTS(直接服薬確認療法)の推進について」の一部改正について – 厚生労働省
ちゃんと服薬してるかの見守りが入るんだね。
ちなみに治療費用は申請すれば公的負担が受けられるみたいですよ。
結核でその他気になること
Q結核ってほっといたらどうなるの?
最初は化膿のようになり、組織が死んで腐った状態になります。放っておくと、リンパや、血液の流れに乗って、他の臓器にも結核菌が移動し、全身に広がっていきます。最後は肺組織が破壊されて呼吸困難になったり、臓器不全になります。
Q結核って予防接種とかあるの?
BCG接種が予防接種です。(実は今回のことではじめてBCGがなんなのか知りました。大事ですね。)
僕らの年代では中学生で打った気がするんですが、今は生後1歳になるまでにBCGを接種することになっています。(うちの次女は赤ちゃんでしたが、それで安全に対処できました)
他にも疑わしい場合はツベルクリン反応検査をするケースがあります。
Q結核の検査ってお金かかるの?
全部無料でした。治療費も公費負担です。政府にも結核撲滅の意気込みが感じられますね。
ただし、公費負担は世帯所得税額や、入院なのか外来なのかなど治療法によっても異なります。
Qもし、結核になっちゃったら治る確率はどのくらい?
昔は多くの人が亡くなったみたいですが、今では薬を飲めば治るようです。ただ、進行状況によっては死に至るケースもあるため、早期発見が重要ですね。
Q結核って消毒とか意味あるの?
結核で消毒は意味ない…とは言いませんが効果が薄いようです。というのも全部空気感染だからです。どちらかというと、咳や、くしゃみをする場合はマスクを付けるか、布で口を覆いましょう。
結核は意外と現代病。だけど、ちゃんと対応すれば治る
そんなわけで結核検査という珍しい体験ができました。
こんなことになってなかったら結核は昔の病気って勘違いしたままだったし、知れて良かったなと思います。
これからも健康に気を遣って、予防に努めようかと思います!
ちなみに結核の常識ってパンフレットが厚生労働省から出ているので、見ておくとこれで大体わかります。結核検査の時にもらいましたが、ネットでも配られていたので、ぜひ読んでみてください。